ひとり旅が好きな人にひとり旅のお話をしてもらうインタビュー記事
ひとり旅のリアルなお話を聞いて、ひとり旅の良さを感じてもらえたら嬉しいです!
現在は月2〜3回のペースでひとり旅を楽しみ、全国のゲストハウスを巡っているアーミーさん。
元JR駅員という経歴を持つ彼が、なぜゲストハウスの魅力にハマった経緯をお聞きしました。

アーミー
ゲストハウスコンシェルジュ。短期のアルバイトやゲストハウスでスタッフとして働きながら、月2〜3回のペースでひとり旅を楽しんでいる。実際に訪れたゲストハウスの魅力を発信する「日本全国ホステルマップ」も運営。将来自分でゲストハウスを作ることを目指している。
友達に会いに行く旅から始まったひとり旅
ーひとり旅を始めたきっかけを教えてください。
初めてのひとり旅は大学生の時でした。京都の大学に通っていたのですが、小学生時代の友達が新潟にいて、会いに行ったんです。お金がなかったので青春18きっぷを使って。

ー初めてのひとり旅は怖くなかったですか?
「友達に会う」という目的があったので、不安よりもワクワクの方が強かったですね。
それに、もともと移動の時間が好きだったんです。
なので、普通列車でゆっくり移動していると、トンネルの中に駅があるなど、ちょっとした新たな発見があって、それが楽しかったですね。
今思えば、そういった新たな発見を楽しむ気持ちが、今のひとり旅の原点になっているかもしれません。
自分の思い通りに自由にできる魅力
ーアーミーさんにとって、ひとり旅の一番の魅力は何でしょうか?
自分の思い通りに旅行の計画ができることですね。
普通の旅行だと事前に工程を決めて、その通りに行くじゃないですか。
でも僕は、アドリブで場所を変えるのが好きなんです。「今日はこっちの方向に行ってみよう」とか、「この駅で降りてみよう」とか。
そういう自由さがひとり旅の醍醐味だと思います。
ーひとり旅ならではのおすすめの楽しみ方はありますか?
「何者でもない自分になること」ですね。
旅行中は周りは知らない人ばかりで、目線がフラットになれるんです。
場所を変えるとものの見方が変わってくるというか。
例えば、大学時代に富山から京都に出てきた時。
北陸の冬って雪かきの面倒くささや晴れる日が少なくて憂鬱だったんです。
けれど、京都へ来ると懐かしさを感じるようになったんです。
発想や考え方が固まらず、地元にいると出会えない発想が生まれる、それがひとり旅だからこその楽しみ方だと思います。

ー逆に、ひとり旅で困ったことや大変だったエピソードがあれば教えてください。
病気になった時は大変でした。
風邪をひいて、かかりつけの病院じゃないところに行かなきゃいけなくて、それは心細かったですね。
薬を飲んでホテルで療養しておりましたが、こんな大変なことを含めてひとり旅だと思っています。
ーひとり旅初心者の方に「まずはここから始めてみて」というアドバイスはありますか?
日帰りでもいいからまずは自分の行きたいところから行ってみるのが一番だと思います。
ぜひ直感や思いつきを大事にしてみてください。
また、計画を立てすぎると、その通りに行かなきゃいけないプレッシャーが生まれるので、まずは気軽に始めてみるのがおすすめですよ。

ゲストハウスとの出会い
ーゲストハウスに泊まるようになったきっかけは何でしょうか?
学生時代は宿泊費を抑えるためにゲストハウスをよく利用していました。しかし、京都のゲストハウスで外国人の宿泊客ばかりの環境に心細さを感じ、途中で帰ってしまった経験から、その後はビジネスホテルを利用するようになりました。
転機となったのは2017年、趣味の乗り鉄で北海道の廃線予定のローカル線に乗りに行った時でした。久しぶりにと思ってゲストハウスに泊まったんです。増毛にある「増毛館」という宿でした。
宿にはオーナーさんと稚内から来ていたカップルがいて、一緒にご飯を食べたんです。
それがとても楽しかった。
普通に生活していたら出会えない様々な背景を持つ人たちとお話できるなんて、今まで知らなかったんです。
それから本州にも交流ができるゲストハウスがあることを知って、行ってみたら段々と楽しさに気づいていったんです。
ビジネスホテルにはないゲストハウスの魅力
ーホテルや旅館ではなく、あえてゲストハウスを選ぶ理由を教えてください。
色々な人とお話していると、数珠つなぎで行きたい場所が増えたり、人と繋がれたりするんです。
旅友さんと偶然会えることもあるんですよ。
例えば、愛知のゲストハウスで会った人と、熊本の違うゲストハウスで偶然お会いしたことがあったのですが、そのときはびっくりでしたね。
共通の友達がいる人同士で会うこともあるし、そういう偶然が面白いですね。
ーゲストハウスならではの楽しみ方のコツはありますか?
流れに身を任せることですね。
旅の予定を詰めすぎないで、余白や余裕を作ることが大切。
特にゲストハウスは偶然が多いですからね。
迷った時は直感で楽しそうと思った方に行くのがコツです。

ー「このゲストハウスは特別だった」という印象深い場所があれば教えてください。
「古民家noie梢乃雪(こずえのゆき)」ですね。
ここは僕の人生のターニングポイントになった宿で、会社を辞めるまでは毎月行ってました。
ここは長野県の田舎町にある大自然に囲まれたゲストハウス。
ゲストハウスで会った人におすすめしてもらったのですが、ここで日本酒にハマったんです。
この宿は2食付きで、夕食の時にみんなで乾杯するんですよ。
お客さんは日本酒好きが集まっていて、それぞれがおすすめの日本酒を持って来るのですが、それがめちゃくちゃ美味しかったんです。
1つの宿に足繁く通うのは初めてだったんですが、当時職場で人間関係のストレスもあった時に、この宿での体験が癒やしや救いになったんです。

130以上の宿を紹介する「日本全国ホステルマップ」
ー日本全国ホステルマップを作ろうと思ったきっかけを教えてください。
元々はゲストハウスを巡った経験を活かして、「ゲストハウスよろず相談室」というチャットグループを作り、オンラインでおすすめのゲストハウスの紹介をしていました。
そんな時、現在一緒に作成しているコニタン(小西 隆太さん)と姫路のシロノシタゲストハウスで会ったのがきっかけです。
彼が「ひと目で分かる交流できるホステルマップを作りたい!」と一声あったんです。
そこで、コニタンと私が独断と偏見で良いと感じたお宿を載せることにしました。

ーこのマップを通じて、どんなことを伝えたいですか?
ゲストハウスはなんだかんだ少数派なので、ホテルや旅館にはない楽しみ方を伝えたいですね。
なので、マップではスタッフや旅人、地域の人たちとの交流を通して、旅をもっと素敵にする宿泊施設を分かりやすく伝えるように意識しています。
例えば、タグを使って調べやすくしたり、アクセス情報をページ内に掲載したりしています。
これらは宿選びに重要ですからね。
実際に「こういうの求めてた」「情報量すごい」といった言葉をいただき、大変嬉しいです。
日本全国ホステルマップについて、過去紹介した記事はこちら

ひとり旅への一歩を踏み出そう
ー最後に、ひとり旅に興味を持っている方、これから始めようと思っている方にメッセージをお願いします。
考えるより、やってみることです。
行きたいところが見つかったら、それがスタートだと思います。
完全ノープランは難しいと思うので、宿だけは決めちゃいましょう。
そうすれば、あとはどうにでもなります。
中途半端にならないように、決めるところだけはしっかり決めるのがコツですね。
ひとり旅は自分と向き合える貴重な時間です。
新しい発見や出会いが待っているので、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

インタビューを終えて
今回はアーミーさんにひとり旅とゲストハウスのお話を聞きました。
特に印象的だったのは、「何者でもない自分になれる」というお話。
日常から離れ、新しい環境に身を置くことで、固定観念から解放される。
私も旅行中は会社員としての肩書がなくなって、「ひとりの旅行者」として、色々な人と関われるのが好きなんです。
旅行中に経営者の方や大企業の会社員、年齢が大きく離れた方とお会いすることもありますが、お互いの肩書など関係なく、対等に関われるんです。
これって普段の生活では難しいと思うんです。
また、ゲストハウスのお話では、そこでの出会いが新たな旅先を決めたり、人生のターニングポイントになったりする。そんな数珠つなぎの体験が、アーミーさんの旅をより豊かなものにしているのだと感じました。
実際にアーミーさんと私の出会いもゲストハウスなんですよね笑
「まずは日帰りから」「思いつきや直感を大切に」「宿だけは決めて、あとは流れに身を任せる」そんなアーミーさんのアドバイスを参考に、新しい自分との出会いを求めてひとり旅に出かけてみませんか?

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