新潟県阿賀町。
全国的には知名度が高くないかもしれません。
しかし、ここは豊かな自然と温かい人々に囲まれ、ひとり旅におすすめの場所なのです。
今回は、この町で活動する「りーこさん」にお話を伺いました。
阿賀町の旅行記はこちら!


りーこ
愛媛県今治市出身。
暮らしと居場所の関係に関心があり、旅や各地の災害復興支援活動を行う。多世代が興味と感性でつながれる社会教育の場に携わりたいと考えていた矢先、学生寮を運営する仕事を知り阿賀町に移住。「ハウスマスター」として活動した地域おこし協力隊の任期を満了し、現在は町の郷土資料館で働きながら、自宅で駄菓子屋や陶芸ワークショップなど地域の交点をつくる活動を行う。
阿賀町は田舎の良さが詰まった場所
―阿賀町に来て4年になると思いますが、町の魅力を教えてください。
田舎の良さ。それが阿賀町の一番の魅力です。

―「田舎の良さ」って何でしょうか…
それは『自然が豊かなことと人が優しいこと』
阿賀町は森林面積が94%を占めており県内でも有数の林業地。
たとえば、樹齢が日本一の杉といえば屋久島の縄文杉ですが、幹の太さ日本一の杉は阿賀町にあるんです!

冬は平地でも130センチメートルほど積もり、12月から3月末まで雪に覆われます。
特に1月2月は毎日雪かきが必要で、「よく住んでいるね」と言われたりも…
―毎日雪かきは大変ですね…
ただ、この不便さがあるからこそ、協力し合う考えの人が多いんですよね。
あとは話すことが大好き。
冬は雪かきをしている時に隣の家の人と「雪やばいね〜」とおしゃべりしたり、農業が好きと話したら畑を貸してくれたりと、特別な力がなくても歓迎してくれる文化が好きなんです。

―田舎に対して閉鎖的な印象を持つ人もいるようですが、旅行者に対してはどうですか?
旅行者に対しても優しいですよ。
今でこそ外から来る人が多い場所ではないですが、歴史的には川の港として栄えた町。
外から来る人に慣れていて、興味を持ってくださる人も多いです。
なので、地元の人と関わりたい人におすすめです!

※町には温泉が8か所もあるのもびっくり
「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」でみんなをお迎え
―協力隊を卒業。これからについてお聞きしたいです。
協力隊の同期と「駄菓子屋ヨリミチ」を始めました。
懐かしの駄菓子の販売だけでなく企画展やワークショップも開催しています。
3月には陶芸家の方をお招きして、陶芸ワークショップを実施しました!

―ここは自宅でもあるんですよね。
そうです!
元々いろいろな人と会うことが好きで、町に学生やインターン生が来たときは家に泊めてみんなでご飯を食べたり、お話をしたりする時間が好きだったんです。
いつかは家を開きたい。
そんな風に思っていたら、ちょうどよい空き家が見つかり、同じ思いの同期とヨリミチハウスを企画しました。

―ヨリミチハウスをどんな場所にしていきたいですか。
「町にいる人がもっと豊かになる」場所にしていきたいです。
地域おこし協力隊として外から来た私たちと国内留学してきた高校生、みんなを温かく迎え入れてくれた阿賀町に恩返ししていきたいんです。
大事なのは「単に居心地がいい」というよりは、「ここがあるから他も頑張れる」場所になること。
『ただいま』『おかえり』だけでなく、『いってきます』『いってらっしゃい』と言えたり、いろいろな人が集まって「今度手伝うよ」や「一緒になにかしよう」という話ができる場所を作っていきたいです。
―ひとり旅で訪れても楽しめますか?
ヨリミチハウスは旅行者と地元の人の『つなぎ役』の場です。
先ほど話したように、町には来た人に興味を持って話してくれる人が多いです。
だから、その人のテーマに合わせて地元の人と繋げられるような場所にできればなと。
間に立つ人がいるとより楽しめますよ!

―阿賀町に興味のある方へメッセージをお願いします!
すごい有名な場所じゃないからこそ、田舎の良さを楽しむことができる場所だと思います。
特別な力があるかどうかではなく、ひとりの人として大切に歓迎してくれる。そんな関わりが、ここにはあります!
存在価値を証明しなければならない社会は、さみしく思います。
「居てくれてありがとう」と認め合いたいものですよね。
また、美肌の湯としても有名な津川温泉やおいしい地酒「麒麟山」、自然薯や山菜など地元の食材を使ったジェラート屋さんなど、観光も楽しむことができますよ!

阿賀町の概要
新潟県を流れる阿賀野川の上流域に位置し、福島県との県境で会津地域に隣接。
縄文時代の土器が発掘され、古くから人々の営みがあったとされ、江戸時代には会津と新潟を結ぶ重要な交通路として栄えました。
冬は寒さが厳しく、長い冬を乗り越えるために保存が利く発酵食が根付き、全国的に有名なお店も多い。
ミシュランプレートに選ばれたそばの有名店や旧商家をリノベーションしたカフェなど、新旧が混在した町になりつつあります。
アクセス
<飛行機>
新千歳空港→新潟空港 約1時間15分
大阪(伊丹空港・関西国際空港)→新潟空港 約1時間5分
福岡空港→新潟空港 約1時間30分
新潟空港→新潟駅 約25分
<電車>
東京駅→新潟駅 JR上越新幹線で約2時間
新潟駅→津川駅 JR信越本線、磐越西線で約1時間30分※乗り換え時間によって時間が異なる
<車>
東京→津川IC 約4時間(首都高速 / 東北自動車道 / 磐越自動車道 経由 約350km)
豊かな自然、人に溢れた阿賀町。
有名な観光地のような刺激に溢れた「非日常」とは少し違った旅かもしれません。
ここは人の生活感を感じる「異日常」の旅。
興味のある方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
実際に阿賀町を訪れた旅行記はこちら↓

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